2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁気再結合領域周辺における物理素過程の3次元的描像に関する理論的研究
Project/Area Number |
06J00163
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
藤本 桂三 独立行政法人情報通信研究機構, 第三研究部門電磁波計測研究センター宇宙環境計測グループ, 特別研究員(PD)
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Keywords | 磁気再結合 / 3次元シュミレーション / 粒子コード / 適合格子細分化法(AMR法) / 超並列計算 |
Research Abstract |
本研究は、従来の粒子法(Particle-In-Cell(PIC)法)に適合格子細分化法(Adaptive Mesh Refinement(AMR)法)を組み合わせた新しい3次元電磁粒子コードを開発し、従来よりも非常に大きな計算領域で3次元電磁粒子シミュレーションを実施することによって、磁気再結合現象の3次元構造を明らかにすることを目的としている。 まず、本年度は、私がこれまで独自に開発してきたPIC法とAMR法を組み合わせた2次元電磁粒子コードを3次元コードに拡張した。コードの検証のために、Harrisタイプの電流層がテアリング不安定性によって時間発展する様子を2次元コードと比較した。3次元シミュレーションは、電流層を流れる電流に沿った方向に非常に薄い計算領域で実施した。この結果、3次元コードによる電流層の時間発展が2次元コードによるものと良い一致を示し、新しく開発した3次元コードが電流層の時間発展をうまく記述できていることがわかった。しかし、同時に、3次元シミュレーションには2次元の場合に比べて非常に大きな計算機資源を要することもわかった。そこで、それまでOpenMPによるスレッド並列化のみを行なっていたコードに対して、MPI(Message Passing Interface)を用いたプロセス並列化も実施した。その結果、1回の計算により多くのCPUを使用できるようになり、計算速度のさらなる向上を実現した。 今後は、完成した3次元コードを用いて、大規模な3次元シミュレーションを実施し、磁気拡散領域周辺の3次元構造を明らかにすることを目指す。 なお、計算は、名古屋大学と京都大学のFUJITSU PRIMEPOWER HPC2500、および、アルバータ大学のIBM POWER5で行なった。
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Research Products
(4 results)