2007 Fiscal Year Annual Research Report
3次元多様体の幾何的性質に関するヘガード分解を用いた研究
Project/Area Number |
06J00181
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
斎藤 敏夫 Nara Women's University, 人間文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 3次元多様体 / へガード分解 / 結び目 / デーン手術 / 結び目解消トンネル / (1.1)-結び目 |
Research Abstract |
1.レンズ空間を生成するデーン手術に関する研究 3次元球面内の結び目に沿ったデーン手術に関して,レンズ空間を生成するような手術に関する研究を行った.市原一裕との共同研究により,与えられたレンズ空間を生成するような3次元球面内のBergeの結び目が存在するか否かを判定するアルゴリズムを発見した.その応用として,「Bergeの結び目族」のうちクラインボトルを含むようなレンズ空間を生成するようなデーン手術を許容する結び目を決定した.また,寺垣内政一との共同研究において,同係数のデーン手術により同相なレンズ空間を生成する双曲結び目の対が無限にあること,また一方で,そのようなサテライト結び目の対は存在しないことなどを示した. 2.3次元多様体間のsurgical distanceに関する研究 3次元多様体を頂点とし,2つの多様体があるデーン手術により互いに移りあうとき両点を辺で繋いで得られる1次元複体に関する研究を市原一裕と共同で行った.今年度は特に,レンズ空間に対応する頂点で張られる部分複体に対して,双曲結び目のデーン手術に制限したときの連結性や局所無限性を調べた. 3.(1,1)-分解の複雑度に関する研究 「与えられた(1,1)-結び目に対して,(1,1)-分解の複雑度は不変であるだろう」という予想の解決へ向けた研究を行った.今年度の成果としては,ある特定の性質をもった結び目以外はこの予想が正しいことを示すことができた.
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Research Products
(4 results)