2006 Fiscal Year Annual Research Report
薬物トランスポーターの機能及び局在調節因子の生理的機能と薬物動態学的意義
Project/Area Number |
06J00273
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡邉 千鶴 金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 薬物動態 / トランスポーター / アダプタータンパク質 / カルニチン / 腎臓 / タンパク質タンパク質相互作用 |
Research Abstract |
本研究では、アダプタータンパク質群によるトランスポーター機能修飾を明らかとするため、in vitro実験系を用いてタンパク質-タンパク質間相互作用、アダプタータンパク質によるトランスポーターへの影響を解析するとともに、薬物体内動態におけるアダプタータンパク質群の寄与を明らかとする目的で遺伝子改変動物を用いたin vivo動態解析行う。本年は、in vitro発現系において、アダプタータンパク質・PDZK2による有機カチオントランスポーター・OCT3、有機カチオン/カルニチントランスポーターOCTN1ならびにOCTN2の発現・機能修飾を解析した。 その結果、PDZK2ならびにOCT3あるいはOCTN1共発現系においては、基質輸送活性に有意な変動が観察されない一方、PDZK2およびOCTN2共発現系においてはOCTN2基質輸送活性の上昇が観察された。この促進効果は、PDZK2発現下においてOCTN2発現量が増加したことによるものと考えられた。また、この輸送活性の増加は、アダプタータンパク質との相互作用に重要なC-末端領域を削除したOCTN2においては観察されなかった。さらに、マウス腎切片を用いた免疫組織化学的解析によって、OCTN2とPDZK2が腎尿細管上皮細胞アピカル膜近傍(サブアピカル領域)に共局在していることが明らかとなり、このことは、アダプター分子・PDZK2がOCTN2を細胞内コンパートメントに局在させることで、アピカル膜発現時の安定化とそれに伴う輸送活性維持に寄与していることを示唆するものである。 以上のPDZK2に関するin vitro実験に加え、アダプタータンパク質・PDZK1の薬物動態学的役割を解明する目的で、pdzk1遺伝子欠損マウスを用いたin vivo動態試験を開始した。現在、種々の有機カチオン性薬物や栄養物質・カルニチンを用いて検討を重ねている。
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Research Products
(1 results)