2006 Fiscal Year Annual Research Report
レム睡眠中の夢生成過程の検討と夢見の客観的評価指標の検討
Project/Area Number |
06J00362
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小川 景子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 夢見体験 / レム睡眠 / 急速眼球運動 / 脳波 / サッカード / イメージ体験 / 事象関連電位 / トポグラフィ |
Research Abstract |
本研究の目的は,レム睡眠中における急速眼球運動(REMs)と夢見過程に関する精神生理学的検討を行うことである.具体的には,覚醒中の急速眼球運動(サッカード)前後に出現する脳電位とレム睡眠中のREMs前後に出現する脳電位の比較を行う. 本年度は,覚醒中の脳電位を詳細に検討することにより,レム睡眠中の脳電位変化に対する考察を深め,これらを国内外の学会で発表するとともに,これまでの研究結果を学術雑誌に投稿(現在審査中)した. レム睡眠中のラムダ様反応は2峰性(P1r,P2r)を示す.一方で覚醒中のラムダ反応は1峰性(P1)の場合と2峰性(P1,P2)の場合とが存在する.そこで本年度は,覚醒中のラムダ反応の形態が変化する要因の検討を行った.用いる視覚刺激の空間周波数が高い場合に2峰性を示し,低い場合には1峰性になることを仮定して実験を実施した.その結果,空間周波数が高い方が2つ目のピークが明瞭になる傾向にはあったもの,ラムダ反応の形態は空間周波数(0.5,1,3,6,12cycle/°)による明確な変化は示さなかった.この結果より,ラムダ反応の形態変化は空間周波数以外の要因と関連する可能性が示唆され,今後は,より適切な刺激を再選択して形態が変化する要因を検討する必要がある,(日本心理学会第70回大会,46^<th> SPR (Society of Psychophysiological Research)国際学会で発表) 本年度購入したICレコーダー,分析ソフトウエアを用いたことで,より効率的に実験研究のデータ蓄積・処理を行うことができた.本研究内容は,早稲田大学スポーツ科学部研究倫理委員会で承認を得ており,実験の際には,実験参加者から書面でのインフォームドコンセントを得ることで,参加者の人権と利益の保護を行っている.
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