2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境遺伝子資源からの有用酸化酵素の効率的探索技術の開発とその応用
Project/Area Number |
06J00383
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古屋 俊樹 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 酸化酵素 / モノオキシゲナーゼ / 環境遺伝子資源 / ナフトエ酸 |
Research Abstract |
酸化反応は物質変換において最も重要な反応のひとつであり、酸化酵素は常温、常圧下で選択性の高い反応を実現することから環境調和型の触媒として有用である。環境遺伝子資源からの有用酸化酵素の効率的探索技術の開発とその応用を目的として、本年度はまず、昨年度取得した新規酸化酵素の機能解析を詳細に行った。本酵素は2-ナフトエ酸に対して酸化活性を有しているが、NMR解析により2-ナフトエ酸を7-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸および8-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に変換することを明らかにした。また、生成物の蛍光特性を検討し、8-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸は紫外線照射下で白色に近い蛍光を発することを見出した。本酵素遺伝子を大腸菌内で電子伝達系タンパク質遺伝子と共発現させて組換え株による2-ナフトエ酸の変換を試みたところ、1mMの2-ナフトエ酸を2時間で0.27mMの7-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸と0.46mMの8-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸に変換した。さらに、本酵素は基質特異性が広く、NMR解析により各生成物の構造も決定した。一方、土壌から抽出したDNAを鋳型としてPCR法により酸化酵素遺伝子をクローニングしてライブラリーを構築した。ライブラリーからインジゴによる呈色を指標としてインドール酸化酵素の取得を試みたが、ポジティブクローンの取得には至らなかった。以上のように本研究では、環境遺伝子資源から酸化酵素遺伝子をクローニングする手法の確立、および有用酸化酵素を探索する技術の開発、取得した酸化酵素の機能解析を実施した。今後は確立した手法、技術、得られた知見をもとに、酸化酵素を利用したバイオプロセスの構築へ向けて実用化研究を展開する予定である。
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Research Products
(6 results)