2007 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴルの独立国家形成と近代国際社会-領域画定過程における内モンゴル問題-
Project/Area Number |
06J00415
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
橘 誠 Waseda University, 文学学術院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 辛亥革命 / ボグド=ハーン政権 / キャフタ協定 / 内モンゴル / 国際法 / ジャロード左旗 / ヒシクテン旗 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に従い、滞在中の台湾中央研究院近代史研究所梢案館において、中華民国初期のモンゴル関係の外交史料を収集した。また、5月23日にウランバートルで開催された国際シンポジウム「1911年の民族革命と第8世ジャヴザンダムバ=ホトクト」において「帰順モンゴル人の運命-キャフタ協定以降-」と題する報告を行い、続いて6月30日にもロシア連邦ブリヤート共和国ウランウデにおいて開催された国際会議World of Central AsiaにおいてInternational law in early 20th century Mongoliaと題する報告を行い、研究成果を報告するとともに、各国研究者と学術交流を深めた。前者の報告では、モンゴル独立宣言後に外モンゴルに移住し1915年のキャフタ協定後も外モンゴルにとどまったものたちのその後を検討し、後者では、20世紀初頭のモンゴルにおいて国際法がいかに適用されていたのかをボグド=ハーン政権によるキャフタ協定の条文解釈などを事例に考察した。前者の報告はすでに論文集としそウランバートルにおいて刊行されている。また、ウランウデにおける学会報告後、内モンゴルのヒシクテン旗において当該地域における社会組織に関する聞き取り調査を行った。 論文としては、ボグド=ハーン政権の対内モンゴル政策に関する考察を、内モンゴルのジャロード左旗、ヒシクテン旗を事例に発表し、辛亥革命後にこれらの地域において中華民国とボグド=ハーン政権の権力が混在し、その結果として一つの旗に二人のザサグが並立したこと、そしてそれが旗内の政治構造に起因していることを指摘した。
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Research Products
(5 results)