2006 Fiscal Year Annual Research Report
配向性メソポーラスシリカ薄膜の作製およびその薄膜を用いた応用
Project/Area Number |
06J00458
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鈴木 崇志 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メソポーラス / 配向制御 / ラビング / Brij56 / ヘキサゴナル |
Research Abstract |
界面活性剤ミセルとシリカ種の組織化により形成する、高い透明性を有するメソポーラスシリカ薄膜は、光学材料としての応用が期待されている。しかしながら一般的なメソポーラスシリカ薄膜は、マクロスコピックなスケールでの細孔の配向制御は困難であり、ホスト物質として利用することを考えた場合重要な問題点であった。そこで私は、ホストマテリアルとしての配向性メソポーラスシリカ薄膜の作製を試みた。 界面活性剤としてBrij56を低濃度で用いて、ポリイミドをコートしラビング処理を施した基板上に単結晶性3次元ヘキサゴナル構造メソポーラスシリカ薄膜の作製に成功した。従来、Brij56高濃度(Brij56:4wt%)ではロッド状構造から形成する一軸配向性2次元ヘキサゴナル構造が形成することが知られているが、この界面活性剤濃度を、非常に低濃度(Brij56:0.08wt%)で用いることにより単結晶性3次元ヘキサゴナル構造へと変化していくことを確認した。この低濃度条件では、同時に析出する粉末には、メソ構造を有していなかったことから、基板界面で界面活性剤の濃縮されていることが考えられる。また、2次元ヘキサゴナル構造と3次元ヘキサゴナル構造が共存し存在する薄膜の作製にも成功しており、TEM観察からそれぞれの構造がドメイン状に存在していることを確認した。 この薄膜は今までにない領域での単結晶様薄膜として、軟X線領域の光学材料、ナノ粒子アレイの鋳型としての利用が期待され、さらに、このような精緻な合成条件の検討は基礎化学的にも重要な知見を与えると考えられる。
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Research Products
(2 results)