2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J00461
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山内 悠輔 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | メソポーラス物質 / メソポーラス薄膜 / 電気化学的プロセス / メソポーラス金属 / 強磁場プロセス / 液晶テンプレート / 自己組織化 / 界面活性剤 |
Research Abstract |
メソスケールの細孔(2〜50nm)の細孔を有するメソポーラス物質は、規則配列した均一な細孔・高い表面積等の特徴を有している。メソポーラス物質としては、これまで主に無機酸化物を骨格とするものが研究され、吸着剤や触媒・触媒担体などをはじめ様々な応用が研究されている。最近では、細孔壁内の組成・構造の制御と多様化が進みて無機酸化物にとどまらず、無機有機ハイブリッドや有機高分子単独系を含む系へ組成が展開している。近年、界面活性剤を高濃度にしたときに発現するリオトロピック液晶相を直接鋳型にしてメソポーラス物質を合成する手法が提案され、電気化学プロセスと融合させることにより、組成を金属まで拡張可能となってきた。 自己組織化による分子のナノ規則配列やメソポーラス金属の合成は、従来にない反応場を利用した高反応性電極・高活性触媒を具現化するための画期的手法であり、非常に期待される材料である。メソポーラス金属は、骨格が金属のみから形成されており、電気伝導性の高い多孔体であり、従来の無機酸化物系メソポーラス物質とは異なる応用が期待される。高い表面積を持つ反応触媒担体電極・二次電池用電極や化学センサー等の電気化学系デバイスや金属触媒等への幅広い応用が期待される。しかしながら、メソポーラス金属の合成手法の確立、及びその応用は、未開拓の分野であり、既存のメソポーラス金属の構造秩序性は極めて低く、良好な規則性を有するメソポーラス金属は得られていない。 本年度の研究においては、規則性の高い各種メソポーラス金属の創製を主な目的とし、金属の析出過程に着目し、先駆的に電気化学的手法を取り入れることにより、従来にない高規則性メソポーラス金属の合成条件を確立した。特に、メソポーラス金属の骨格組成の拡張を行い、微細構造解析を踏まえ、応用に向けてマイクロデバイス等への直接組み込みを行った。更に、液晶鋳型の特長を最大限に生かした新材料の開発を行い、階層構造電極の作製や、液晶の磁場配向を用いた配向性メソポーラス薄膜の合成も試みた。
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Research Products
(7 results)