2007 Fiscal Year Annual Research Report
人間の生理学的機能を模擬した発話ロボットの開発および言語獲得能力の研究
Project/Area Number |
06J00486
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福井 孝太郎 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヒューマノイドロボット / 音声生成 / 声質 / 舌機構 / 発話ロボット |
Research Abstract |
本研究はコンピュータシミュレーションのみでは解明困難な人間の発話運動について,物理モデルとしての人間形発話ロボットを構築することによりその解明への糸口を見つけることを目的としている.われわれは声帯・口蓋・舌・口唇・鼻腔など発声に関わる諸器官を弾性体を用いて3次元モデルで構築し,音声生成の再現に取り組んでいる. 今年度は既存の人間形発話ロボットWT-7の問題を解決し,多様な音声生成を実現するために,全19自由度を有する新型発話ロボットWT-7R(Waseda Talker No.7 Refined)の製作を行なった.まず,声帯においては人間のような多様な声質の再現を目的として,機構の追加を行った.人間の発話においては,通常発話であるModal(地声)の外に,パルス性の強いCreakyと呼ばれる音声や雑音性の強いBreathyと呼ばれる音声などが生成される場合がある.これらの音声を再現するため声門開閉の調整や,横から力を加える機構を加えることなどにより,声帯の振動様式そのものを制御し,これらの音声の生成を実現した.舌においては,これまで,リンク機構の配置上の制約から声道形状の再現が不十分であったため,より小型のリンク機構を用いることで,人間の舌とほぼ同様の変形量を再現した.さらに,舌素材(弾性体)には音響管として用いた際の共鳴特性が不十分という問題があったが,舌体の変形性の観点から素材変更が不可能であったため,舌部に液体を封入した.口唇機構においては,これまで開閉面積の変更可能範囲が狭く,母音が不明瞭になってしまっていたため,駆動機構を顎と独立させ,開口断面積を直接コントロールする機構を導入した.これらの結果,/o/母音においてのバンド幅が50[Hz]狭くなるなど母音の明瞭性の向上が見られた.
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Research Products
(8 results)