2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造配列および自己集積単分子膜を用いた一分子イメージング法の開発
Project/Area Number |
06J00491
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三宅 丈雄 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | ナノ構造 / 一分子イメージング / 自己集積単分子膜 |
Research Abstract |
今年度DC奨励研究費で行った研究の成果は、大きく分けて二つあります。 1、ナノ構造配列基板を用いた一分子イメージング法の開発 本研究の成果は、計算機シミュレーションを用いて本手法の実行可能性を評価したことである。本手法では、(1)ナノ構造内へのタンパク質1分子固定、(2)固定されたタンパク質と結合できるタンパク質を溶液中に高濃度で浮遊、(3)その結合・解離の様子を1分子観察する。結合・解離の様子を1分子観察するためには、結合の際の蛍光シグナル強度が解離した際の背景光シグナル強度を上回る必要がある。蛍光シグナル強度と背景光シグナル強度ともに、ナノ構造の形状に依存している。また、背景光シグナルは、濃度の増加共に大きくなる。ナノホールの形状と分子濃度をパラメータとして用いて計算機シミュレーションを行い、このシグナル強度と背景光強度の関係を明らかにした。 2、自己集積単分子膜(SAM)を用いた一分子イメージング法の開発 本研究の成果は、末端基の異なるSAMレジストの電子線照射効果を明らかにしたことである。本手法では、SAMを電子描画用のレジストして用いており、これまでの研究成果の中でSAMの末端基の違いだけで電子線感度が異なるという現象を世界で始めて見つけた。この現象を理解するために、電子線照射システムを複合したシリコン内部反射型赤外吸収装置を開発した。本装置では、真空チャンバー内で電子線照射と赤外吸収評価を同時に行えるため、電子線照射したSAMの組成変化を定量的に評価できる。結果、SAMのアルキル鎖中のCHボンドへのダメージに差が生じていることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)