2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造配列および自己集積単分子膜を用いた一分子イメージング法の開発
Project/Area Number |
06J00491
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三宅 丈雄 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノ構造配列 / 自己集積単分子膜 / 一分子イメージング / 生体分子 / 非特異吸着 |
Research Abstract |
今年度の研究成果は、大きく分けて二つあります。 ・ナノ構造配列基板を用いた一分子イメージング法の開発 本研究の研究成果は、10μMの色素を浮遊させた条件で一分子観察が可能なナノ加工スライドガラス基板の作製に成功したことである。ナノ加工スライドガラス基板の作製においては、シミュレーションを用いた理論実験と実際に基板を作製する試作実験を繰り返すことにより、成し遂げられた。シミュレーションを用いた理論実験では、解析ソフトEMFlexを用いてS/N比の最適化を図った。この際、シグナルは検出できる蛍光強度であり、ノイズは背景光ということになる。理論解析の結果、これまで報告されていた構造よりも40nm程度深く高さをとった新構造が良いということが判った。これを基に実際に半導体微細加工技術を用いて基板を作製し、高濃度色素を浮遊させた状態での1分子観察を行った。その結果、上記に示した10μMの色素を浮遊させた条件での一分子観察に成功した。また、モデルタンパク質であるGroELとGroES間の相互作用の解明に向け研究も進めた。GroELのナノ構造上への固定化条件、S/N比の改善を得て、要約相互作用の一分子イメージングが可能になり始めた。 国外発表;二件、国内発表;1件 ・自己集積単分子膜(SAM)を用いた一分子イメージング法の開発 本研究の研究成果は、非特異的な吸着を抑制可能なSAMの探索、S側の電子パターニングの条件出し、パターニングしたSAM基板を用いた生体分子の固定条件出しの終了である。非特異的な吸着を抑制可能なSAMの探索に関しては、Gelest社から購入したSAM試薬を用いてシリコン酸化膜上に成膜し、成膜した基板にさまざまな生体分子を浮遊させ、基板上に吸着した量を蛍光顕微鏡を用いて測定した。その結果、OH基を末端に有したSAMが吸着を抑えることを発見し、これを生体分子固定用のテンプレートに応用することにした。次に、OH末端SAMにパターンを作製するために、電子線描画の条件出しを行った。OH末端SAMは現像液である硫酸/過酸化水溶液や希釈緩衝フッ酸に対して耐性を有し、電子照射を行うことにより分子サイズ(18nm)のパターンをOH末端SAMに作製することが可能となった。ここまでの結果を論文にまとめ英国誌Chemical Physics Lettersに掲載された。また、パターニングしたSAM基板上への生体分子の固定条件出しを開始し、250nmサイズのパターン上に生体分子を2.5μm間隔で固定することに成功した。 研究論文;1件、国外発表;2件、国内発表;1件
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Research Products
(1 results)