2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会不安障害の維持に機能する認知的情報処理過程の検討と認知行動療法的介入法の開発
Project/Area Number |
06J00505
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
五十嵐 友里 Waseda University, 人間科学学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 社会不安障 / Post Event Processing |
Research Abstract |
社会不安障害の治療については認知行動療法が有効であると報告されているが,治癒率を考慮すると未だ改善の余地があると示唆されており,認知行動療法による社会不安障害の効率化された治療法を開発することが本研究課題の目的であった。 先行研究における社会不安のPost Event Processing(PEP)に関する検討は,多くがアナログ研究であり,臨床群によるデータは少ない。したがって,これまでの研究で大学生を対象としたアナログ研究で明らかになった認知的プロセスについて,同様の過程が社会不安障害患者にも存在するかを明らかにする必要がある。これによって,アナログ研究における知見が臨床群でも応用可能であるかどうか,どのような点で差異があるかどうかについて明らかにすることを目的とした。 本研究の参加者は,精神科医師により社会不安障害との診断を受けた者のうち,主治医の許可と患者の同意が得られた8名であった。質問は,まず対象者に最近1週間で不安に感じた社会的場面についての想起を求め,その場面について質問,その状況に対する思考の質問を続けた。調査手順としては,診察の後に当該クリニックの診察室にてインタビューを行った。インタビューは,作成した質問マニュアルをもとした半構造化面接によって行われ,患者の苦手とする社会的出来事を経験する時,侵入思考によってPEPを行っている時,PEPを行っていない時でSUDの評定を求めた。その結果,実際に苦手とする社会的出来事を経験しなくても,PEPを行っているだけでも実際に出来事を経験している時と同じ程度の不安を感じていることが示された。したがって,社会不安障害の治療において,PEPを考慮した介入法を提案していくことが必要であると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation]2007
Author(s)
五十嵐友里・嶋田洋徳
Organizer
日本行動療法学会第33回大会
Place of Presentation
神戸(兵庫県)
Year and Date
20071200
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