2007 Fiscal Year Annual Research Report
微生物由来の新規な糖質酸化酵素の探索と有用ウロン酸生産への応用
Project/Area Number |
06J00529
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 周相 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウロン酸 / 酸化酵素 / 微生物 |
Research Abstract |
新規な糖質酸化酵素を生産する微生物を探索しウロン酸生産に利用することを目的として、新たな微生物のスクリーニング方法の検討および分析方法について検討した。微生物のスクリーニング方法に関しては、まず選択培地の組成についての検討を行った。モデル反応としては、D-グルコースをその酸化物であるD-グルクロン酸へ酸化反応により変換するという反応であるが、多くの微生物はD-グルコースを資化することで生育するものが多く、微生物の選択培地においてD-グルコースを用いることは不適当である。そこで、構造の類似性に着目し、糖質酸化活性が強ければD-グルコースに代替できると予想される、テトラヒドロピラン-2-メタノール(THPM)、D-グルカール、2-デオキシ-D-グルコース(DG)を用いることを考案した。THPM、D-グルカール、DGを炭素源に用いた最少培地を利用することで、目的の酵素を生産すると思われる微生物の探索を行った。また、D-グルコースおよびD-グルクロン酸を同時に検出できる方法について検討を行い、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた両化合物の同時定量分析のための条件を確立した。実際に選択培地とHLPC分析条件を使用して、土壌約800サンプルの生理食塩水懸濁液および排水サンプル数種を培地に接種したスクリーニング(集積培養)を行い、選択培地で生育可能な微生物の集積培養系を数種類取得した。集積系より単離した微生物について糖質酸化活性を確認したところ、5種類の集積培養系について、反応後の溶液にHPLC分析でD-グルクロン酸と同じ保持時間に生成物を検出した。反応生成物の同定を行うためにNMR分析を試みたが、混合物の影響により、正確な分析ができなかった。生成物の分離精製を行うことで、詳細な分析が可能になると考えられる。
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