2006 Fiscal Year Annual Research Report
狂犬病ウイルスのG蛋白遺伝子解析に基づく野外ウイルスの感染環および病原性の解明
Project/Area Number |
06J00583
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
佐藤 豪 日本大学, 生物資源科学部, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 狂犬病野外株 / G遺伝子 / 国際研究者交流 / ブラジル / 中国 / 分子疫学 |
Research Abstract |
・ブラジルサンパウロ州立大学にて、食虫・吸血コウモリ、キツネおよびイヌより分離された狂犬病野外株を用いてのマウスへの直接脳内接種試験を行い、これら野外株の神経毒性を確認した。 ・狂犬病野外分離株130検体(うちヒト11、ウシ27、ウマ2、ヒツジ2、ブタ1、イヌ12、ネコ5、キツネ8、吸血コウモリ16、食果コウモリ9、食虫コウモリ24、種不明コウモリ13)の完全長G遺伝子および推定アミノ酸配列を決定。これらウイルスゲノム配列のアライメントより、以下に示したモチーフ上に変異が認められた。 (1)抗原認識部位上に見られる変異: RVに対する宿主の免疫誘導能に影響する可能性がある。 (2)神経細胞のアセチルコリンレセプターに結合すると考えられている部位(第181-207残基)の変異: RVの神経親和性に影響する可能性がある。 (3)食虫コウモリ分離株の1系統に見られる、第333残基の変異: RVの神経毒性および細胞間の拡散力を著しく減弱させる可能性がある。 (4)糖鎖結合部位Asn37およびAsn247に見られる変異: 細胞内におけるRVの糖蛋白発現量に影響を与える可能性がある。 ・中国の狂犬病野外分離株9検体(イヌ分離株6検体、家畜分離株3検体)の分子疫学的解析を行い、この地域においてはイヌがヒトのみならず家畜へも狂犬病を媒介していること、またこれらの株が東南アジア地域で分離された狂犬病ウイルスと遺伝子学的に近縁であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)