2006 Fiscal Year Annual Research Report
コンディショナルノックアウトマウスによる破骨細胞分化制御の解析
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06J00618
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
末松 綾子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | コンディショナルノックアウトマウス / 破骨細胞分化 |
Research Abstract |
破骨細胞分化において破骨細胞分化因子(RANKL)により受容体にリクルートされるTRAF6の下流で活性化される転写因子NF-κB、c-fosやNFATc1が必須であることは明らかであるが、TRAF6とそれらの転写因子をつなぐシグナル機構は未だ不明な点が多い。そこで、TRAF6下流のシグナル分子であるキナーゼTAK1を中心に破骨細胞分化における役割について現在、解析を行っている。破骨細胞分化マスター転写因子NFATc1の転写レベルの制御機構について解析した結果、TAK1はCaMKを介してNFATc1の転写活性を促進することが見出された。遺伝子ノックダウン実験により、破骨細胞分化においてCaMKファミリーのCaMKIVが重要であることが示唆されたため、ノックアウトマウスを解析したところ、破骨細胞の減少に伴い骨量が有意に増加していることが見出された。この分子メカニズムとしてCaMKIV依存的に転写因子CREBがリン酸化され、c-fosを誘導することでNFATc1を制御していることが明らかとなった。さらに、破骨細胞特異的遺伝子のプロモーター解析においてCREBとNFATc1が協調的に遺伝子発現をすることから、CaMK-CREB経路はc-fosを介してNFATc1を効率よく誘導するだけでなく、NFATc1依存性の遺伝子制御を促進することで二相性に破骨細胞分化の制御に関与すると考えられた。この研究成果はNature Medicine誌に掲載された。しかし、破骨細胞特異的にTAK1を欠損させたコンディショナルノックアウトマウスの骨量増加はCaMKIVノックアウトマウスに比べ重篤であり、大理石病を呈する。従って、NF-κBやCaMK以外の標的分子をTAK1が制御している可能性が考えられることから、現在それら分子の探索および制御機構の解明に取り組んでいる。
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Research Products
(4 results)