2007 Fiscal Year Annual Research Report
コンディショナルノックアウトマウスによる破骨細胞分化制御の解析
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06J00618
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
末松 綾子 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | コンディショナルノックアウトマウス / 破骨細胞 |
Research Abstract |
破骨細胞分化のメカニズムを理解することは骨破壊を引き起こす骨粗鬆症、炎症性関節炎、歯周病などの疾患の治療法を開発する上で重要な意味を持っている。破骨細胞分化において破骨細胞分化因子(RANKL)により受容体(RANK)にリクルートされるTRAF6の下流で活性化される転写因子NF-κB、c-fosやNFATc1が必須であることは明らかであるが、TRAF6とそれらの転写因子をつなぐシグナル機構は未だ不明な点が多い。そこで、本研究はTRAF6下流のシグナル分子であるキナーゼTAK1を中心に破骨細胞分化における役割について解析を行った。これまでに、TAK1はCaMKを介して破骨細胞分化マスター転写因子NFATc1の転写活性を促進することを見出した。また、破骨細胞分化においてCaMKファミリーのCaMKIVが重要であることを明らかにした。しかし、破骨細胞特異的にTAK1を欠損させたコンディショナルノックアウトマウスの骨量増加はCaMKIVノックアウトマウスに比べ重篤であり、大理石病を呈することから、NF-κBやCaMK以外の標的分子をTAK1が制御している可能性が考えられた。そこで、NFATの転写活性に転写因子CBPが必要であるという報告があることから、CBPに注目をし、検討を行った。TAK1とNFATc1の共発現系に更にCBPを強制発現させたところ、NFAT転写活性は用量依存性に上昇した。また、TAK1の強制発現によりCBPがリン酸化された。これらのことから、破骨細胞分化においてTAK1の下流でCBPがリン酸化され、NFATc1と協調的に転写活性を制御することが示唆された。本研究によりTAK1が破骨細胞分化を人為的に制御する際の有力なターゲットとなりうることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)