2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市エリートによる地方文化の創造と地域アイデンティティに関する文化地理学的研究
Project/Area Number |
06J00686
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
濱田 琢司 Kobe University, 人文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 近代陶磁器産業 / 民芸と民芸運動 / 文化仲介者 / ビームス・フェニカ / 倉橋藤治郎 / 濱田庄司 / 「人間国宝」 |
Research Abstract |
申請中の研究計画に沿い,昨年度より引き続き下記の通り研究・調査を遂行し,成果の発表を行った。 1.近代期陶磁器業,産業についての資料調査,分析:前年度に引き続き,『大日本窯業会雑誌』『工政』などの資料調を行い,近代期の窯業,産業における「国産」思想の展開の検討から,地文化や地産地と中央の産業思想との関連を探った。分析の一部は,口頭発表「地方窯業の近代-沖縄と兵庫の陶磁器を中心として」(兵庫地理学協会例会,2008年5月24日)として報告した。 2.文化エリートと地域文化,ローカル産業との関わりに関する調査,分析:(1)上記1)に関連し,近代期の産業思想において重要な役割を担った倉橋藤治郎について検討をおこない,概要を講演「祖父・庄司のこと」(日本民芸館,2008年7月19日)などにおいて報告した。(2)文化エリートとしての陶芸家と地方産地との関係について検討し,論文「都市と農村の文化交錯」(浅野・岩崎・西村編『京阪神都市圏の重層的なりたち』)および「「「民芸的なるもの」の流用」(川崎市市民ミュニジアム編『オキナワ/カワサキ展』図録)としてまとめた。(3)地方工芸生産に影響を与える制度的枠組みとして「人間国宝」について検討し,口頭発表「文化資源化する「人間国宝」」(人文地理学会大会,2009年11月9日)として報告した。 3.現代における地方文化とデザイナー,セレクトショップとの関係についての調査:昨年度に引き続き,いくつかのセレクトショップのバイヤーらと地方産地との関わりについての調査を行った。また本年度は,実践的取組にも関与することで,参与観察的な調査も行った。『フェニカスタイルブック』(プチグラパブリッシング)への執筆や「nomadic関連トニクショー」(graf living:shop/showroom(4F),2009年3月7日ほか)への参加は,そうした調査の一環として行った。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
川崎市市民ミュージアム編
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Journal Title
『オキナワ/カワサキ-二つの地をつなぐ人と文化-展』図録(川崎市市民ミュージアム編)
Pages: 86-92
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[Journal Article]2008
Author(s)
浅野慎一, ほか編
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Journal Title
京阪神都市圏の重層的なりたち-ユニバーサリズム, ナショナリズム, ローカリズムの交錯-(昭和堂)
Pages: 354-367
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