2006 Fiscal Year Annual Research Report
談話における題目の総合的研究-「行動としての題目」の可能性-
Project/Area Number |
06J00752
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金田 純平 神戸大学, 大学院総合人間科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 「題目」 / フレージング / イントネーション / 左方転移 / 焦点化 / 無助詞 / 母音融合 |
Research Abstract |
発話の最初に現れる「題目」がどのようなものであり、話者のどのような行動と結びついているのかを明らかにするという本研究の目的に対して、18年度では「題目」形式の言語間対照、方言間対照を中心に行った。 言語間対照では、フランス語および現代ギリシャ語の「題目」形式、特に主題については、構文および韻律的特徴に関する先行研究より、命題外の左周辺に配置することと、特定の句末イントネーションによって表されることを確認した。また、これらについて実際の言語使用との照合を行った。フランス語については映画スクリプトを使用して話し言葉における「題目」形式について先行研究との照合を行い、またその他の日本語の「題目」に類似する表現をいくらか確認した。ギリシャ語については、2006年9月にギリシャに渡航し、知人の協力でアテネおよびスパルタでのギリシャ語の会話音声データを収録し、これに文字書き起こしを行ってコーパスを作成した。これを使用して、ギリシャ語では動詞よりも前の位置に現れる要素は「題則に相当するものと、文の焦点にあたるものがあり、これらはイントネーションによって峻別されることを確認した。 日本語の「題目」についてはフランス語等のとの対照によって、構文レベルだけでなく句レベルの独立性にも関わることからが明らかになり、その末尾に現れる間投助詞やイントネーションが発話者の態度と結びついて句レベルでの発話を行うものであると結論付けた。また、非言語行動として頭の上下の動きも句レベルでの発話とも関わっていることを指摘した。 また、備中方言と大阪方言の「題目」形式、特に無助詞形式についての対照については、形態・および構文レベルでの違いが、アクセントや母音融合のような音韻現象に関わることが考えられるという結論に達した。
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Research Products
(2 results)