2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J00823
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
若山 清香 独立行政法人理化学研究所, ゲノム・リプログラミング研究チーム, 特別研究員(PD)
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Keywords | 体細胞核移植 / ntES細胞 / クローン / ES細胞 |
Research Abstract |
マウスntES細胞の特徴付け 成体の体細胞から核移植技術によって作られたntES細胞は免疫拒否反応のない幹細胞として再生医療の分野から注目されている。しかし、ntES細胞の性質についてES細胞と同一であるという結論はまだ出ていない。そこでこれまでにわれわれが樹立した150種類以上のntES細胞を用いて、Oct3/4やNanogなどのES細胞特異的マーカーの発現性や、DNAマイクロアレイによる解析、ギムザおよびSKY-FISH染色による染色体異常について調査したところ、すべて通常のES細胞と同様の性質を示した。さらにntES細胞の核から再度ntES細胞の樹立を反復したところ、反復核移植のntES細胞に及ぼす影響がないことや、老齢マウス由来の細胞、あるいは長期間体外培養した繊維芽細胞など、種々の想定される因子によるntES細胞の樹立やその性質に及ぼす影響がないことがわかった。これらのことよりntES細胞は極めてES細胞と類似性をもつことが明らかとなり、再生医療の素材としての可能性があることが示唆された。 極体および初期胚割球からのES細胞樹立の試み 第1極体から8細胞期までの1割球を用い、ES細胞の樹立成績の改善を試みた。第1および第2極体からは単為発生ES細胞を38%および10%の成績で樹立できた。2、4および8細胞期の1割球からはES細胞を64%、23%および18%で樹立することができた。樹立したすべての細胞はES細胞マーカーにポジティブであり、キメラの作成を試みたすべての細胞株からキメラが生まれている。第1および第2極体は胎児への発生に寄与しないが、正常なゲノムを持つことから他の卵子の細胞質を借りることで有効利用できることが明らかとなった。(in press)
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