2008 Fiscal Year Annual Research Report
タイプIII分泌機構を介したイネ-白葉枯病菌間の分子応答機構に関する研究
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06J00907
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
古谷 綾子 National Institute of Agrobiological Sciences, 植物・微生物間相互作用研究ユニット, 特別研究員(PD)
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Keywords | タイプIII分泌機構 / イネ / 白葉枯病菌 / 分子応答機構 |
Research Abstract |
本年度は、これまでに同定していた白葉枯病菌のタイプIII分泌エフェクターの発現分泌制御について解析を行うとともに、個々のエフェクターの宿主内における機能解明を目指し、それぞれのエフェクターを発現する形質転換イネの作出を試みた。 1.同定したエフェクター遺伝子の発現解析により、それらの全てがタイプIII分泌装置の構築に関わる他のhrp遺伝子群の制御因子として知られるHrpXの発現制御下にあることを明らかにした。また、hrpクラスター上のhpaBおよびhpaPは、X000148を除く全てのエフェクターの分泌に必須ではないものの、その効率的な分泌には必要であることを明らかにした。 2.昨年度はエフェクターを恒常的に高発現する形質転換イネの作出を試みたが、植物体が再生しないという問題が生じていた。そこで、5つのエフェクターについてDEX誘導性プロモーターの制御下で発現する形質転換イネの作出を行った。1つのエフェクターを除き、生育は良くなかったが、F1種子を得ることができた。 3.同定したエフェクターの多くが白葉枯病菌と同様にXanthomonas属に属する他の植物病原細菌でも広く保存されることを確認した。そして、モデル実験植物であるシロイヌナズナに感染するアブラナ科植物黒腐病菌(X.campestris pv.campestris)においてにおいて保存される10個のエフェクターホモローグのうち少なくとも8個が実際にタイプIII分泌装置を介して植物細胞内に分泌されることを明らかにした。
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[Journal Article]2008
Author(s)
古谷綾子
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Journal Title
ゲノム情報を活用した植物感染生理学の展望(日本植物病理学会 植物感染生理談話会論文集(第44号)ISSN 1345-8086)
Pages: 21-30
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