2006 Fiscal Year Annual Research Report
幼若ホルモン受容体の探索およびその受容体をターゲットとする新規昆虫制御剤の開発
Project/Area Number |
06J00912
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
下村 勝 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域制御剤標的遺伝子研究ユニット, 特別研究員(PD)
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Keywords | カイコ / トランスジェニック / 幼弱ホルモン / 幼弱ホルモン結合蛋白 / 幼弱ホルモン分解酵素 |
Research Abstract |
蚕蛹時期の濾胞にJHアナログを処理すると濾胞細胞が収縮する事から、幼若ホルモン(JH)受容体の候補の一つが卵濾胞膜に存在すると考えている。そこで、卵濾胞のJH結合膜タンパク質の同定を行うため、ビオチン化JHアナログの設計を行い、合成については九州大学と共同で行なっている。ビオチン化JHアナログの合成が出来次第、BIAcoreを用いてJH結合膜タンパク質の精製を計画している。 また、JHに対する高い結合能を有する血液性JH結合タンパク質(JHBP)は、体内でJH輸送タンパク質として働くと考えられているが、その詳細な機能は明らかではない。JHBPは、JH受容体と相互作用すると考えられる事から、その機能を解明するため、JHBP過剰発現およびdsRNA-JHBP過剰発現トランスジェニック蚕を作出し、成長を観察中である。このJHBPに10種の類縁体が存在する事が昨年明らかとなった事から、再度、蚕ゲノムデーターベースを探索したところ、さらに新たに1種のJHBP遺伝子を発見した。これらJHBPと11種のJHBP類縁体の遺伝子産物発現系を構築し、発現機能解析を行っている。また、cDNAライブラリー<胚発生〜蛹>を作成し、現在、定量PCRにより発現変動を解析中である。このJHBPも昆虫特異的タンパク質である事から新規殺虫剤のターゲットとなるものと考えられる。 同様の研究戦略によりJH分解酵素遺伝子についても類縁体を含めた網羅的機能解析を行っており、組織・時期特異的に発現変動のパターンが異なる遺伝子を発見した。今後、これら遺伝子の機能発現を行う。
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