2008 Fiscal Year Annual Research Report
木本種における窒素シンクサイズと葉からの窒素回収との関係
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06J00985
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
松本 有子 (安村 有子) Forestry and Forest Products Research Institute, 植物生態研究領域, 特別研究員(PD)
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Keywords | 窒素 / 葉の老化 / 季節変化 / 常緑種 / ルビスコ / 光合成 / 窒素回収 / 窒素リサイクル機構 |
Research Abstract |
・常緑種シラカシの葉の特性の季節変化昨年度に引き続き、シラカシの葉の光合成能力の変化が葉の窒素化合物含量とどう関係しているかについて調査を行った。本年度は、電気泳動装置を設置し、葉の主要なタンパク質であるルビスコ(リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ)を定量した。その結果、ルビスコ含量は代謝タンパク質含量と協調して増減することが明らかになった。これは、これまで先行研究などで示唆されていた予測に反し、常緑種の葉においてルビスコが窒素貯蔵として特に重要というわけではないことを示している。葉の老化時には、ルビスコの大部分は分解され、枝部へと回収されていった。従って、ルビスコは窒素資源のリサイクルにおおいに役立っていた。 ・常緑種シラカシでのシュート成長シラカシの成木の当年枝において、葉と木質器官が春から夏にかけてどのように成長していくかについて、森林総合研究所の樹木園において調査を行った。6月から9月の間、定期的に当年枝部をサンプリングし、その長さと葉の数、総葉面積、葉重、枝重を測定した。枝部は樹皮と材部に分け、それぞれの重さを測定した。その結果、5月中旬から下旬にかけて冬芽から伸びた当年枝の長さ、葉数、葉面積、葉の重さ/面積、葉重は6月中旬にはピークに達しており、その後、ほとんど変化しないことが明らかになった。一方、枝部の重さは8月中旬まで増加し続けた。枝部のうち、樹皮と材部のどちらでも重量が増加していた。
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Research Products
(1 results)