2007 Fiscal Year Annual Research Report
体温情報による養殖クロマグロの遊泳・消化に関する研究
Project/Area Number |
06J01022
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
久保 敏彦 Kinki University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | クロマグロ / 養殖 / 体温 / 小型記録計 / 配合飼料 |
Research Abstract |
研究代表者は2つの課題(養殖クロマグロの1.体温変化と水温変化による最適養殖環境の解明;2.摂餌に伴う腹腔温変化に基づく生餌と配合飼料の消化・吸収効率の見積もり)を設定した。クロマグロは個体の成長に伴って冷たい海域へと生息場所をかえる。身体の大きさによってクロマグロが異なる水温環境を好む要因として,成長に伴い身体の熱保持能力が発達していくことが挙げられる。身体の大きさごとに熱保持能力を調べることができれば,生息可能水温,または至適水温を検討できる。本研究は新しく開発した微細センサーをもつ温度計(TUNA THERM)を用いてこれまで調べることができなかった尾叉長40cm以下のクロマグロの血合筋,普通筋,腹腔の温度を測定して,熱保持能力を全熱拡散係数として調べて,Fisheries Science誌に投稿した。これをもとに,低水温海域で小さなクロマグロの成長が遅い原因について解析した(課題1)。 課題2.については,餌として給餌したときに成長が優れるイカナゴ(生餌)および成長が悪いとされる配合飼料を摂餌した直後の腹腔温変化を比較した。クロマグロに挿入した小型記録計から得られた腹腔温情報から,配合飼料はイカナゴに比べて消化時間が1.5倍長くかかることがわかった。さらに,イカナゴ摂餌後は急激に腹腔温が上昇し,最高温に達する時間が短かった。これはイカナゴ摂餌後に急速な消化が行われることを意味しており,短時間内に次の摂餌準備ができていたと考えられる。
|
Research Products
(3 results)