2008 Fiscal Year Annual Research Report
生態系モデルを用いた気候変動に対する海洋生態系および物質循環の応答の解明
Project/Area Number |
06J01164
|
Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
吉江 直樹 Fisheries Research Agency, 東北区水産研究所海区水産業研究部, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 生態系モデル / 物質循環 / プランクトンダイナミクス / 鉄循環 / 植物プランクトン / 動物プランクトン / 気候変動 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
これまでのモデル開発から、ケイ酸濃度が若干過大評価ではあるものの、観測データが比較的充実している植物プランクトン全体量としての生物量や、メソ動物プランクトンの生物量、硝酸濃度などのバルク量については、適切に再現可能になっていた。しかし、観測データが不足していたために、シミュレートされる生態系の群集構造(生物の種組成など)が現実に則したものであるかの検証が難しかった。 今年度は、新たな観測データセットとして、日本周辺の特徴的な5海域(親潮域、混合水域、黒潮内側域、黒潮外側域、東シナ海)における植物プランクトンおよび動物プランクトンについて組成データを、独)水産総合研究センターの観測グループから提供していただき、モデルとの詳細な比較を行うことができた。その結果、これまでのモデルは日本周辺海域において、ピコ植物が過小評価、ナノ植物が過大評価、マクロ動物が過大評価であることが明らかとなった。 その原因としては、モデル中のピコ植物の低温阻害が強すぎること、ナノ植物への捕食圧が小さいこと、マクロ動物の死亡速度が遅いことなどが考えられ、それらをモデル中で規定している生理パラメータの調整を行った。それらの改良を施したモデルは、上記3点の問題点と共に、ケイ酸の過大評価についても改善され、これまで以上に観測結果と整合的になった。 本研究により、日本周辺の特徴的な5海域における海洋生態系・生物地球科学的物質循環について、生態系の群集構造まで適切に再現できるようになった。
|
Research Products
(13 results)
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Recent results connecting climate change to fish resources using the high resolution model, COCO-NEMURO2008
Author(s)
Yamanaka, Y., T. Hashioka, T. Okunishi, H. Sumata, T. Sakamoto, M. N. Aita, N. Yoshie, N. Okada, S. Ito
Organizer
PICES 17th Annual Meeting
Place of Presentation
Dalian, China
Year and Date
20081000
-
-
-
-
-
-