2006 Fiscal Year Annual Research Report
生態系モデルを用いた気候変動に対する海洋生態系および物質循環の応答の解明
Project/Area Number |
06J01164
|
Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
吉江 直樹 独立行政法人水産総合研究センター, 東北区水産研究所, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 生態系モデル / 物質循環 / プランクトンダイナミクス / 鉄循環 / 植物プランクトン / 動物プランクトン / 気候変動 / 地球温暖化 |
Research Abstract |
日本周辺の多彩な海洋生態系を機能グループ毎に分け、観測と比較可能な形で取り扱うことができる生態系モデル"eNEMURO"を開発した。生態系の構造が大きく異なる3つの海域、(1)亜寒帯域(親潮域)、(2)亜熱帯域(黒潮外側域)、(3)陸棚域(東シナ海)において、水産総合研究センターのモニタリング研究で得られた時系列データを用いて、モデルの調整・改良を行った。その結果、亜寒帯・亜熱帯域の生態系の季節変化を観測とほぼ同じレベルで再現できるようにし、東シナ海の生態系をある程度観測に即した形で再現できるようにした。 また、海水中の微量栄養元素である鉄の循環と生態系の応答の理解に向けて、東部北太平洋亜寒帯域における中規模鉄濃度調整実験"SERIES(Subarctic Ecosystem Response to Iron Enrichment Study)"のシミュレーションを行った。その結果、鉄濃度の変化に伴い植物プランクトンによるケイ酸/硝酸取り込み比が大きく変化し、海水中の物質循環に多大な影響を及ぼすことを明らかにした。 得られた成果は、原著論文として公表すると共にOcean Science Meeting, CREAMS(Circulation Research of the East Asian Marginal Seas)/PICES(The North Pacific Marine Science Organization) international workshop, PICES annual meeting, International symposium on parameterization of trophic interactions in ecosystem modelingなどの国際学会において積極的に発表し、世界最先端をゆく海外の研究者らと活発な意見交換を行った。
|
Research Products
(4 results)
-
[Journal Article] NEMURO-a lower trophic level model for the North Pacific marine ecosystem2007
Author(s)
Kishi, M.J., D.V.Eslimger, M.Kashiwai, B.A.Megrey, D.M.Ware, F.E.Werner, M.Aita N, T.Azumiya, M.Fujii, S.Hashimoto, H.Iizumi, Y.Ishida, S.Kang, G.A.Kantakov, H.Kim, K.Komatsu, V.V.Navrotsky, L.S.Smith, K.Y.Yamanaka, K.Yokouchi, N.Yoshie, J.Z.Zhang, Y.L.Zuenko, V.I.Zvalinsky
-
Journal Title
Ecol.Modeling 202(1-2)
Pages: 12-25
-
-
-