2006 Fiscal Year Annual Research Report
弥生社会変革過程における集落と流通システムの考古学的研究
Project/Area Number |
06J01200
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山口 欧志 中央大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 考古学 / 集落 / 流通 / 土器 / 物質文化 / 地理情報システム |
Research Abstract |
本研究では,弥生社会の変革過程について、集落と流通システムに着目して、遺跡立地・土器の地域色・鉄器出土遺跡・銅鐸埋納地についてGISを用いた空間分析を行っている。従来のような土器や鉄器の個別的研究だけでなく、遺物や遺跡、古環境や民族誌など、学際的な歴史情報から集落と流通システムを検討して、弥生社会を捉え直そうとするものである。 以上のような目的の下、本年度は,人文科学と自然科学の資料を学融合的に活用し、列島各地の遺跡立地や銅鐸埋納地の定量的な空間分析を行なった。また土器の地域色圏を描出し、その背景を文化要素と自然環境要素の両面から定量的に分析した点である。 より具体的には,遺跡立地の分析として,列島各地の縄文時代晩期から古墳時代初頭の遺跡について、GISを用いた立地の定量分析を行ない、農耕開始期における遺跡立地の変化の共通性を明らかにした。また、高地性集落は、遺跡から見える範囲を検討するため可視領域分析を行なった。 また土器の地域色圏の分析として,東京湾東岸の弥生時代後期から古墳時代前期の甕形土器の地域色を計量分析から明らかにした。次に、GISを用いて定量的に、赤彩土器の分布様相や地形環境との関係を検討した。 さらに銅鐸埋納地の密度分布と可視領域を分析した。全国の銅鐸埋納地を対象としたGISを用いた空間分析により、例えば従来言われていたような、三遠式銅鐸と近畿式銅鐸の分布圏は排他的な様相を示さないなど、一様ではない銅鐸分布圏の様相を明らかにした。
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Research Products
(4 results)