2006 Fiscal Year Annual Research Report
p53下流遺伝子調節薬剤の探索と、「癌の遺伝子調節化学予防法」の開発
Project/Area Number |
06J01247
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
堀中 真野 京都府立医科大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | がん / p53 / DR5 / TRAIL / アポトーシス / 予防 / フラボノイド / 食品成分 |
Research Abstract |
悪性腫瘍で変異失活した癌抑制遺伝子p53の機能を回復させることを目的として、p53下流遺伝子の一つであるDR5の発現誘導剤の探索を行った。癌予防の観点から、食品成分を中心にスクリーニングを行い、新たに見いだされたDR5発現誘導剤において、癌細胞へのアポトーシス誘導効果とDR5発現誘導機構の解析を行った。 白菜やピーマンなどに含まれるフラボノイドであるアピゲニンがDR5の発現を誘導することを見いだした。アピゲニンはDR5タンパクを安定化させる働きがあることが判明した。TRAILとアピゲニンを併用させることで、T-cell白血病Jurkat細胞に強力にアポトーシスを誘導することができた(Horinaka M. et al. Mol.Cancer Ther. 2006)。牡蠣やホヤに含まれるカロテノイドhalocynthiaxanthinが大腸癌細胞において、DR5の発現をmRNAおよびタンパクレベルで誘導することを見いだした。HalocynthiaxanthinとTRAILの併用は大腸癌細胞に強力なアポトーシスを誘導させた。またシジミ貝などに含まれるカロテノイドperidininも同様の効果を有することを明らかにした(Yoshida T. et al. Mol.Cancer Res. In press)。ブロッコリーに含まれるイソチオシアネート類のsulforaphaneがDR5発現を誘導することを見いだした。骨肉腫細胞においてsulforaphaneとTRAILを併用させることによって強力なアポトーシスを引き起こすことができた(Matsui TA. et al. Carcinogenesis 2006).TRAIL発現誘導剤の探索も行い、2つの成分を見いだした。今後、「癌の遺伝子調節化学予防法」の開発を目指し、TRAIL発現誘導剤とDR5発現誘導剤の併用を試みる。
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