2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J01303
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
堀越 建吾 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・工学府, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超高速現象 / コヒーレント制御 / フェムト秒パルス / 分子振動波束 / 時間分解測光 / ラピッドスキャン |
Research Abstract |
本研究の目的は、波形整形光パルスによる化学反応制御を発展させるための基礎的な知見を得る事にあり、具体的には光波形と量子波束ダイナミクスとの写像関係を調べる事である。特に、題目にある「結合した分子振動系」における光波形と波束との関係を重要な目標に置いている。光波形と量子波束ダイナミクスとに関係は、化学反応制御の仕組みを知る上で重要であり、これを明らかにする事は、この研究分野の発展に不可欠である。 本研究では実験的なアプローチでこの課題に取り組んでおり、そのため光波形整形装置や時間分解分光計等の実験装置や技術的ノウハウを必要とした。平成18年度中にこれら実験上の基礎技術の確立と実験装置の整備をほぼ終えていたが、実験をより効率的に行うため19年度の補助金からの支出で多チャンネルデータロガーを新規導入した。これにより、当初考えていたよりもはるかに能率的に実験を進める事が可能になった。 実験装置は19年8月ごろから,体格的に稼働しはじめた。19年度末までに、様々な光波形に対する、量子波束ダイナミクスを測定し、多くのデータを蓄積することができた。特に、チャープパルスと多重パルス列波形を用いると、分子振動波束の自在な振動モード制御が可能である事を示すデータを得ることが出来た。この結果の一部は日本物理学会第62回年次大会において報告され、また投稿論文を現在準備中である。 なお、今後の課題としては他の分子での実験があげられる。その中でも、化学反応性の系と分子間相互作用を含む系は重要な位置を占める。また、チャープおよび多重パルス以外の波形整形のバリエーションについて評価を行う事も視野に入っている。
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Research Products
(4 results)