2006 Fiscal Year Annual Research Report
両生類の浸透圧ストレスに対する内分泌制御とイオン輸送調節機構の解明
Project/Area Number |
06J01325
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
今野 紀文 富山大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | アルギニンバソトシン / アンギオテンシン / アルドステロン / 上皮性ナトリウムチャネル / 尿素輸送体 / 両生類 / 体液調節 / 腎臓 |
Research Abstract |
両生類の浸透圧ストレスに対するイオン輸送調節機構の解明を目的として、本年度の研究において、アルギニンバソトシン(AVT)およびレニンーアンギオテンシンーアルドステロン系(RAAS)の作用部位と、そこでのNa^+および尿素の輸送調節に対する当該ホルモンの生理作用について検証した。以下に研究成果の概要を記す。 まず、AVTおよびANGIIの作用部位を明らかにするため、各受容体遺伝子をクローニングにより単離同定し、配列データを日本DNAデータバンク(DDBJ)に登録した(AVT type1受容体:AB274029,type2受容体:AB274030,ANGtype1受容体:AB274028)。また、各受容体遺伝子が両生類の主要な体液調節器官である腎臓と膀胱に発現することを示し、腎臓および膀胱が当該各ホルモンの作用部位であることを明らかにした。腎臓と膀胱でのNa^+および尿素の輸送機序を調べるため、上皮性Naチャネル(ENaC : AB212933)と尿素輸送体(UT : AB212932)を単離同定し、それらの免疫組織化学的局在と当該各ホルモンによる影響を検証した。その結果、ENaCは腎臓の遠位尿細管後部から集合管の主細胞管腔側膜および膀胱膜頂端側に局在し、アルドステロンによって発現調節されている可能性が示唆された(Konno et al.2007)。また、オオヒキガエル腎臓から単離したUTは、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた機能解析より、哺乳類UT-A2と類似した促進型尿素輸送体として機能し、腎臓の遠位尿細管前部において尿素再吸収に働くことを示した(Konno et al.2006)。さらに、UTは、乾燥および汽水環境下で上昇するAVTによって発現調節され、体内への尿素輸送の促進に寄与することを報告した(Konno et al.2006)。
|
Research Products
(3 results)