2007 Fiscal Year Annual Research Report
両生類の浸透圧ストレスに対する内分泌制御とイオン輸送調節機構の解明
Project/Area Number |
06J01325
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
今野 紀文 University of Toyama, 理工学研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | バソトシン / アンギオテンシン / アルドステロン / 上皮性Naチャネル / 尿素輸送体 / 両生類 / 腎臓 / 体液調節 |
Research Abstract |
両生類の浸透圧ストレスに対するイオン輸送調節機購の解明を目的として、アルギニンバソトシン(AVT)およびレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の作用部位と、そこでのNa^+および尿素の輸送調節に対する当該ホルモンの生理作用と環境応答について検証した。まず、AVTおよびANG IIの作用部位を明らかにするため、各受容体遺伝子をクローニングによって単離同定し、配列データを日本DNAデータバンク(DDBJ)に登録した(AVT type1受容体:AB274029,type2受容体:AB274030,ANG type1受容体:AB274028)。また、各受容体遺伝子が両生類の主要な体液調節器官である腎臓と膀胱に発現することを示した。腎臓と膀胱でのNa^+および尿素の輸送機序を調べるため、上皮性Naチャネル(ENaC:AB212933)と尿素輸送体(UT:AB212932)を単離同定し、それらの免疫組織化学的局在と当該各ホルモンや浸透圧ストレスに対する発現応答を解析した。その結果、ENaCは腎臓の遠位尿細管後部から集合管の主細胞管腔側膜および膀胱膜頂端側に局在し、乾燥環境下で亢進するアルドステロンによって発現調節されている可能性が示唆された。また、オオヒキガエル腎臓から単離したUTは、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた機能解析により、哺乳類UT-A2と類似した促進型尿素輸送体として機能し、腎臓の遠位尿細管前部において尿素再吸収に働くことを示した。さらに、UTは、乾燥および汽水環境下で上昇するAVTによって発現調節され、体内への尿素輸送の促進に寄与することを報告した。また、AVT前駆体やその受容体が、四足動物の祖先と考えられている肺魚類においても同定でき、AVTmRNA発現は乾燥環境下で増加し、魚類の陸生適応に重要であることを示した。本年度の研究で、両生類を含めた陸生四足動物の体液調節機構が肺魚類において獲得されてきた可能性を示すことができた。
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Research Products
(3 results)