2006 Fiscal Year Annual Research Report
全身の触覚情報を触原色に基づき提示することを特徴とする人型ロボットの遠隔臨場制御
Project/Area Number |
06J01477
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
多田隈 理一郎 (駄本 理一郎) 産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | ヒューマノイド / 人型ロボット / 遠隔臨場制御 / 触原色 / 触覚提示 |
Research Abstract |
本年度は、主に人型ロボットの遠隔臨場制御のためのマスタ・スレーブシステムにおける操作者側の触覚ディスプレイの研究・開発を重点的に進めた。具体的には、操作者の前腕・上腕などの有毛部の皮膚にも十分な大きさと精度の触覚を提示できる、サーボモータを用いた触覚ディスプレイを、産業技術総合研究所の横井一仁研究グループ長や海外渡航先のハーバード大学Biorobotics LaboratoryにおけるRobert D.Howe教授の御指導のもとに試作した。 まずは、5個のサーボモータを用いた卓上の触覚ディスプレイを試作して、複数の成人被験者にその触覚ディスプレイによるマトリクスを感じ取ってもらう心理物理実験を行い、その触覚ディスプレイによる6種類のマトリクス模様が、成人に十分に識別可能であることを確認した。それによりその方式による触覚デイスプレイがロボットの皮膚の上に生じた様々な圧覚を操作者の有毛部皮膚に再現するのに十分な能力を持っていることを確かめた。さらにそのディスプレイに使用されているサーボモータの刺激子を一定以上の周波数で振動させることにより、滑り覚をも提示する実験を進めている。 このサーボモータを用いた触覚ディスプレイ用アクチュエータの他に、滑り覚提示専用の.アクチュエータを、小型のマクソン社製ブラシレスモータを用いて並行して試作している、が、Howe教授の御意見により、まずは使用するアクチュエータをサーボモータに統一した方式でどこまで触覚の正確な提示が可能かを確認する作業を進める予定である。 現在は、上記の触覚ディスプレイをロボット操作者の体に取り付けられるように改良中であり、さらにそれを用いて制御するための人型ロボットHRP-2mを既に日本より取り寄せており、これをスレーブロボットとして使用するための準備を整えつつある。
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