2006 Fiscal Year Annual Research Report
表皮バリア構築におけるケラチノサイト分化関連蛋白(Kdap)の動態に関する研究
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06J01485
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
八木原 紘子 日本獣医生命科学大学, 獣医生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Kdap / 分泌蛋白質 / ケラチノサイト |
Research Abstract |
1.Kdapのレセプター検索 ケラチノサイト表面にKdapに対するレセプターが存在するのではないかと考え、ケラチノサイトとKdapの結合性を検討した。まず、KdapとイムノグロブリンFc領域のキメラ蛋白(Kdap-Fc)を作成し、犬ケラチノサイト株化細胞に反応させたところ、一部の細胞に結合した。このことから、Kdapはケラチノサイトの分化段階、あるいは細胞周期に依存した結合性を示すことが考えられた。そこで、株化細胞を分化誘導し、Kdap-Fcとの結合性を検討した。しかしながら、ケラチノサイト分化とKdapの結合性には明らかな相関は認められなかった。一方、細胞周期をG1期に統一した細胞に対し、Kdap-Fcは効率的に結合することが示唆された。このことから、KdapはG1期のケラチノサイトに特異的に発現する分子と結合し、ケラチノサイトの分化に関与するのではないかと考えた。今後、Kdapの結合分子を免疫沈降により分離し質量解析により同定する。 2.Kdapのケラチノサイト分化との関連の検討 2種類の分化傾向の異なる犬ケラチノサイト株化細胞の分化マーカーおよびKdapmRNAの発現を比較した。その結果、Kdap mRNAは形態的に角化傾向を示す株化細胞に発現し、またその発現は角化関連蛋白質であるEnvoplakinの発現増加の時期と一致することが明らかとなった。これらのことから、Kdapは表皮分化に密接に関与する分子であることが示唆された。そこで、Kdapの動態をより深く検討するため犬Kdapに対するモノクローナル抗体を作成した。作成した抗体を用いた犬正常皮膚の免疫染色により、Kdapは基底層には分布せず有棘層以上に限局することが明らか:となった。このようなKdapの特異的な発現パターンおよび分布から、Kdapはケラチノサイトの最終分化に関連する分子ではないかと考えられた。
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Research Products
(7 results)