2006 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの照葉樹林帯における諸民族の住まいをつくりだす文化的枠組みの比較研究
Project/Area Number |
06J01507
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Research Institution | Mimasaka University |
Principal Investigator |
谷内 麻里子 美作大学, 大学院・生活科学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | 住まい / ネワール族の住まい / 汚れ / 行動のしかた / 空間認識 / 空間概念 / 照葉樹林文化 / 空間的な秩序 |
Research Abstract |
平成18年度における本研究の実施状況は以下のようである。 (1)平成18年度は特別研究員採用以前に、平成15年度におこなったネパール・カトマンドゥ盆地西南部の農村部の集落コカナと、平成16年度におこなった同・ブンガマティにおけるネワール族のジャプ、シャケ、バズラチャルヤなどのジャート住まいと暮らしの予備的な調査の資料をもとに、住まいをつくりだす文化的枠組みの追究をおこなった。その成果の一部は、日本生活学会、日本民俗建築学会等の各学会において口頭発表および学術雑誌に報告した。 (2)平成18年9月7日〜9月24日にかけて、同上コカナに居住するネワール族の住まいを対象に第二次調査をおこなった。平成15年度におこなったコカナの予備的な調査の資料の分析結果から、追加調査が必要と判断した。 コカナは複数のジャートが混住するムラであり、800戸5000人が居住している。そのうち、ニョーブ地区の農民のジャート;ジャプの15戸の住まいの精密調査を実施した。調査内容は、居住する家族、住まいの空間的な構成とその展開、日常的・非日常的生活における人びとの行動、汚れの観念、儀礼および年中におこなわれる祝祭などにおける人びとの行動と空間認識を調査した。 これらの調査で得られた資料の整理・分析は継続中である。分析は、(1)住まいを作り出している空間概念を人びとの行動および空間認識から読みとること、(2)ネワール族の生活に存在する浄・不浄の観念と人びとの行動との関係をとらえること、(3)浄・不浄の観念と住まいの空間構成との関係をとらえること、に視点をおくものである。また、ネワール族の住まいでおこなわれる宗教的行為としての炊事調理・食事、および月経、出産、死などの場面にあらわれる時間的・空問的な浄・不浄のレベルにも関心をおくものである。
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Research Products
(8 results)