2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J01734
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
永井 崇寛 総合研究大学院大学, 高エネルギー加速器科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 破砕関数 |
Research Abstract |
電子・陽電子消減から生成される荷電ハドロン(パイオン・ケイオン・陽子)に対しての破砕関数の分布を最小2乗法により求めた。さらに、hessian法を用いてその不定性を求めた。特に、この研究では分布の不定性を求めたことが重要である。我々が解析する以前にはKKP(Kniehl, Kramer, and Potter)[1]が求めた分布とKretzer[2]が分布を求めたが彼らはその不定性を示してなかった。我々の解析によりグルーオンと軽いクォークの不定性が特に大きいことがわかり、KKPの分布とKretzerの分布は非常に違うことが知られていたが、我々の解析によりそれらの違いは我々の分布の不定性の範囲内であることがわかった。パイオンとケイオンに関しては実効結合定数についてnext-to-leading-order(NLO)の場合はleading order(LO)の場合に比べて不定性が小さいことを示した。陽子に関してはNLOとLOの分布の不定性に関して優位な違いは見えなかった。小さい運動量移行(Q^2)では分布に比べて不定性が大きいので、小さいQ^2や横運動量(P_γ)でのレプトン・ハドロン衝突、ハドロン・ハドロン衝突からハドロン生成のデータを解析する際には破砕関数の不定性も考慮に入れることが現時点では重要であることがわかった。 この研究は東工大の平井正紀研究員とKEKの熊野俊三教授と須藤和敬研究員と行った。 [1]B.A.Kniehl, G.Kramer, and B.Potter, Nucl.Phys.B582,514(2000) [2]S.Kretzer, Phys.Rev.D62,054001(2000)
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