2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネの自律性トランスポゾンDartの同定およびその転移制御機構の解明
Project/Area Number |
06J01744
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
島谷 善平 The Graduate University for Advanced Studies, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | イネ / トランスポゾン / 自律性因子 / DNAのメチル化 / サイレンシング / 遺伝子タギング |
Research Abstract |
イネのDNA型トランスポゾンnDartは、黄色地の葉に緑色のセクターが入る易変性変異系統から見いだされたAc/Ds系の非自律性因子で、活性な自律性因子aDart(autonomous Dart)の転移酵素により転移すると考えられている。交配試験により、易変性変異系統には1コピーのaDartが存在する一方、'日本晴'には構造上は約50コピーのaDart候補因子が存在するものの、いずれも不活性な因子iDart(inactive Dart)であることが示唆されている。 我々は、マップベースクローニングにより、pyl-v系統では第6染色体に座乗する因子がaDartであることを明らかにした。このaDartの配列は"日本晴"ゲノムの対応する座位の因子iDartl-27と同一だったので、"日本晴"では、サイレンスされていると思われる。そこで、35SプロモーターとGUS遺伝子の間にnDartを組込み、nDartが転移脱離するとGUS遺伝子が活性化するようにし、さらにクローニングの過程で"日本晴"ゲノムにおけるメチル化状態を解除したiDartl-27を挿入したベクターを構築し、pyl-stb系統のカルスへ導入した。導入ベクター上のnDartの転移脱離に伴うGUSレポーターの出現頻度、並びに再生イネにおける緑色のセクターの出現頻度から、脱メチル化されたiDartl-27によるnDartの高頻度での転移脱離を実証した。また、シロイヌナズナでも同様の結果を得ており、Dart系トランスポゾンは他種植物においても高い転移活性を示すことが示された。さらに、nDartがシロイヌナズナの遺伝子領域内へ効率よく再挿入することを明らかにし、Dart系トランスポゾンが他種植物においても有用な遺伝子タギングに利用可能であることが示された。一方、シロイヌナズナの植物体におけるiDartl-27自身の転移脱離も確認した。
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Research Products
(1 results)