2007 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的脳機能イメージング法を用いた体性感覚認知過程における時空間識別能の解明
Project/Area Number |
06J01752
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
赤塚 康介 National Institute for Physiological Sciences, 統合生理研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 体性感覚 / 脳磁図 / fMRI / 二点識別 / ミスマッチ電位 |
Research Abstract |
本年度は二点識別時に特有に活動する皮質内の神経基盤を明らかにすることを目的として機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)を用いた実験を行った。体性感覚刺激として、4種類の電気刺激(強い一点刺激・強い二点刺激・弱い一点刺激・弱い二点刺激)を用いた。今回の実験では、タスクとして二種類の識別課題を行った。一つ目が二点識別課題で、与えられた刺激の強弱にかかわらず、刺激が一点であったか二点であったかを識別し、ボタン押しを行う。二つ目が強度識別課題で、与えられた刺激が一点であったか二点であったかにかかわらず、刺激が強かったか弱かったかを判断して、ボタン押しを行う。コントロールとして、刺激を感じたら直ちにボタン押しを行うタスクを設定した。二点識別課題とコントロールを比較すると、inferior parietal lobule(IPL)、anterior cingulate cortex、pre-frontal gyrus、inferior frontal gyrus、left primary somatosensory cortex、anterior insula、striatum、anterior lobe of the cerebellar vermisが有意に活動しており、二点識別課題と強度識別課題を直接比較すると、左のIPLが二点識別課題時に有意に活動していた。本実験において、二点識別課題時に左のIPLが有意に活動していた。今回の実験では、二点識別課題と強度識別課題において同じ電気刺激、同じ応答反応を用いており、二点識別課題時にlPLが有意に活動していたことは、ヒトが与えられた刺激を一点か二点かを識別するときにはIPLが重要な役割を担っていることを示唆するものである。
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Research Products
(3 results)