2006 Fiscal Year Annual Research Report
多波長同時観測と残光の即時追観測によるガンマ線バーストの起源の探査
Project/Area Number |
06J01842
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
浦田 裕次 埼玉大学, 大学院理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ガンマ線バースト / γ線・X線観測 / 光赤外観測 |
Research Abstract |
ガンマ線バーストは宇宙で最も大規模な爆発現象で、宇宙物理学における大きな謎のひとつである。この謎に迫るには、大爆発の発生の瞬間からのγ線・X線から光赤外線にいたるまでの幅広い波長帯で連続的に観測をすることが重要な手がかりである。わたしは、これまでに東アジアの可視光観測体制を築いたものを土台にさらに広い波長で連続性を高めるために、ハワイやアメリカにある中小望遠鏡の観測時間を新たに得て地上からの追跡観測体制を強化した。また、ガンマ線バースト観測衛星Swiftが取得するデータの解析環境を整え、衛星と地上観測の有機的な連携関係を築いた。これにより、可視光の放射には少なくとも2つの成分が入り混じっていることを明らかにし、1つの成分の振る舞いがガンマ線バーストの標準モデルで予想される光度曲線とスペクトル発展と一致することから、これらが細いジェットと広いジェットの2つで解釈できることを提案し、1編の論文としてまとめた(もう1編は投稿中)。すざく衛星のX線の観測からもこれまでに確認されていなかった細いジェットの存在の兆候も明らかにした。さらに、X線と可視光の時間発展の振る舞いが異なることを衛星と地上観測の連携より明らかにし、3編の論文として発表した。また、大爆発の瞬間の可視光放射を捉えるための専用装置の開発を行い、これまでの検出限界を約1桁の感度の向上を図り、観測の難しい瞬間の可視光放射の検出の可能性を高めた。
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Research Products
(6 results)