2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J01847
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
岡田 令子 埼玉大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 甲状腺刺激ホルモン / ウシガエル / PACAP / VIP / PAC1受容体 / VPAC2受容体 |
Research Abstract |
両生類の甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、最近まで特異的で高感度な測定法が開発されていなかったため、その放出制御機構が明らかにされていなかった。筆者はウシガエルTSHの放射免疫測定(RIA)法を開発し、下垂体細胞からのTSH放出に及ぼす視床下部因子や甲状腺ホルモンの影響等を明らかにしてきた。 本年度は、これまでにウシガエルTSHの主たる放出因子の一つであることが示された副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)によるTSH放出調節に関して受容体レベルでの解析を行った。CRF受容体アゴニストおよびアンタゴニストを用いた実験から、CRFによるTSH放出は2型CRF受容体を介することが明らかになった。また、CRF以外の視床下部因子によるTSH放出調節をしらべた結果、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)および血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)がウシガエル下垂体細胞からのTSH放出を促進することが明らかになった。これらのペプチドのアンタゴニストを用いた実験により、PACAPおよびVIPによるTSH放出は、PACAP/VIP共通受容体の一つであるVPAC2受容体および/またはPACAP特異的受容体PAC1受容体を介して調節されることがわかった。更に、生体内で実際にTSH放出調節因子として機能している物質を明らかにするために、ウシガエル視床下部の抽出物からTSH放出に影響を及ぼす物質の単離を行った。視床下部抽出物を主に逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより分離し、各画分のTSH放出活性を細胞培養とRIA法によりしらべた結果、TSH放出促進または抑制活性を持ついくつかの物質を得た。比較的強いTSH放出活性を持つ物質の一つは、内因性のCRFであることが確かめられた。今後その他の物質について構造解析を行い、物質を同定する予定である。
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Research Products
(3 results)