2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J01847
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
岡田 令子 Saitama University, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 甲状腺刺激ホルモン / ウシガエル / 下垂体 / 視床下部 / ビスフェノールA |
Research Abstract |
両生類の甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、最近まで特異的で高感度な測定法が開発されていなかったため、その放出制御機構が明らかにされていなかった。筆者はウシガエルTSHの放射免疫測定法を開発し、下垂体細胞からのTSH放出に影響を及ぼす因子について明らかにしてきた。これまでに、視床下部に含まれる副腎刺激ホルモン放出因子(CRF)が主たるTSH放出因子である可能性を示した。本年度は、まず酵素免疫測定法(ELISA)によるウシガエルTSHの測定法を開発し、放射性同位元素を使用せずに培養液中のTSH量を高感度で測定することを可能とした。また、生体内で実際にTSH放出調節因子として機能している物質を明らかにするために、ウシガエル視床下部の抽出物からTSH放出に影響を及ぼす物質の単離を行った。視床下部抽出物を主に逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより分離し、各画分のTSH放出活性をウシガエル下垂体細胞培養とELISAによりしらべた結果、TSH放出促進または抑制活性を持ついくつかのフラクションを得た。今後、CRF以外のTSH放出因子、および放出抑制因子について構造解析を行い、物質を同定する予定である。また、内分泌撹乱物質であるビスフェノールA(BPA)がTSH放出抑制作用を示すこと、その作用はこれまで知られているBPAの甲状腺ホルモンおよびエストロジェンのアンタゴニスト/アゴニストとしての作用ではないことを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)