2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J01847
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
岡田 令子 Saitama University, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 甲状腺刺激ホルモン / ウシガエル / 下垂体 / 視床下部 / 副腎皮質刺激ホルモン放出因子 |
Research Abstract |
両生類甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、最近まで高感度で特異的な測定法が開発されていなかったため、その放出制御機構が明らかにされていなかった。両生類TSHの放出制御機構を明らかにするために、筆者はこれまでにウシガエルTSHの放射免疫測定(RIA)法を開発し、またその後RIA法と同程度に高感度な酵素結合免疫測定(ELISA)を開発し、それらを用いて両生類下垂体からのTSH放出に影響を及ぼす因子について解析を進めてきた。その結果、哺乳類とは違って副腎刺激ホルモン放出因子(CRF)が強い両生類TSH放出活性をもつことを明らかにし、CRFによるTSH放出は2型CRF受容体を介して調節されることを受容体選択的な作動剤・拮抗剤を用いた実験により示した。本年度は、2型CRF受容体mRNAがウシガエル下垂体TSH産生細胞に発現していることをin situ RT-PCRと免疫組織化学の組み合わせにより明らかにした。このことは、CRFによるTSH放出が2型CRF受容体を介して調節されることを裏付けた。また、生体内で実際にTSH放出調節因子として機能している物質を明らかにするために、ウシガエル視床下部の抽出物からTSH放出に影響を及ぼす物質の単離を行った。視床下部抽出物を作製し、主に逆相カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより分離し、各画分のTSH放出活性をウシガエル下垂体細胞培養とELISAによりしらべることで、TSH放出活性を示すいくつかの物質の単離に成功した。その中の一つはCRFであった。また、他の物質の一つはN末端アミノ酸配列解析により、ラナタキキニンAであると推定された。ラナタキキニンAを含む物質Pファミリーペプチドが両生類TSH放出調節活性を有することは、本研究で初めて明らかとなった。
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Research Products
(4 results)