2006 Fiscal Year Annual Research Report
Cdt1結合蛋白質の網羅的同定によるDNA複製の細胞周期制御機構の解明
Project/Area Number |
06J01925
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
杉本 のぞみ 日本女子大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DNA複製 / Cdt1 / APC / C / Cdh1 / PCNA / Cullin4 / 再複製 / チェックポイント |
Research Abstract |
Cdt1はORC、CDC6と共に複製ヘリカーゼであるMCMをクロマチンに結合させる因子である。再複製抑制のため、ORC/CDC6の機能はS期以降抑制されている。Cdt1はgemininという蛋白質との結合によって機能抑制されることが知られていたが、我々はCdt1がCdkによるリン酸化とそれに続くユビキチンリガーゼSCF^<Skp2>を介した分解も受けていることを明らかにした。一方、Cdt1の脱制御がゲノム傷害を引き起こすことや種々の癌細胞でCdt1が過剰発現していることも発見した。このように複数の抑制機構が存在することは、Cdt1制御の重要性が支持されることから、Cdt1の機能や制御機構の更なる理解が重要であると考え、Cdt1結合蛋白質の網羅的同定を試みた。 その結果、細胞周期を制御しているユビキチンリガーゼであるAPC/CやPCNAなどが同定できた。APC/Cは、活性化因子のCdc20又はCdh1のいずれか一方と結合することで活性化される。解析の結果、Cdt1はAPC/C^<cdh1>と効率よく結合し、G1/G0期においてAPC/C^<cdh1>によってポリユビキチン化され、分解に導かれることが示唆された。また、APC/C^<cdh1>認識部位欠失変異体Cdt1はその分解に耐性になり、強い再複製やチェックポイントの活性化を引き起こすことを見出した。一方、S期におけるCdt1分解にはCullin4ユビキチンリガーゼも関与していることを見出した。そして、PCNAはCullin4がCdt1を認識する際の仲介因子として機能していることを発見した。 結論として、Cdt1はG1/G0期にはAPC/C^<cdh1>による制御、S期以降はgemininとの結合、Cdk-SCFskP2による制御、PCNA-Cullin4による制御という少なくとも四つの機構によって厳密に抑制制御されていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)