2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02000
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
瓜田 幸幾 Chiba University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ナノカーボン / 欠陥 / 電子顕微鏡 / X線構造解析 / 電気伝導度 / 擬高圧効果 / 吸着 |
Research Abstract |
これまで単層カーボンナノホーン(SWCNH)内に存在する構造欠陥の作用に着目してきた。そこで,メカノケミカルな処理に伴うSWCNHのナノ構造変化の詳細な解明を試みた。ここでは,SWCNHと既存の手法で5員環等の活性部位を取り除いたSWCNH(ox-SWNH)を各々N回(N=2,5,9)圧縮処理した試料を用いた。電子顕微鏡観察より両試料のナノ粒子が圧縮によって連続体を形成するが,特にox-SWCNHでは活性部位が消失しているため,SWCNHより容易に連続体を形成する事が分かった。さらに,分光学的手法及び窒素吸着測定から,圧縮処理がSWCNHでは活性部位の消失後に形成した細孔の再結合をもたらし,ox-SWCNHでは既存の細孔部位における再結合をもたらしている可能性が示唆された。これは,CO2吸着に伴う電気伝導応答性の結果からも妥当であり,本研究によりメカノケミカルな処理がグラフェン内の欠陥部位を介してsp3結合形成をもたらす事が分かった。 続いて,制約されたナノ空間中における分子吸着現象及び相転移現象を解明するため,一次元細孔を有するカーボンナノチューブ(CNT)及び二次元細孔を有する活性炭素繊維(ACF:Activated Carbon Fiber)を用いて,細孔内に形成したヨウ化カリウム(KI)結晶の構造解析を行った。窒素吸着測定及び熱重量測定より見積もったKIの導入量と電子顕微鏡観察より,多くのKI結晶は細孔入口近傍に存在している事が会かった。しかしながら,これらの試料に対してLab及びSPring-8でのX線構造回折によって得られた結果を基に,ナノカーボン及び細孔中の物質の構造解析を行ったところ,バルク状のKIのみだけでなく高圧下で形成する結晶構造が存在する可能性が見出された。現在,詳細な結晶構造の同定を行うと共に細孔の次元性との関連を解明しているところである。
|
Research Products
(8 results)