2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06J02000
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
瓜田 幸幾 千葉大学, 大学院自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノカーボン / 吸着 / 電子顕微鏡 / X線構造解析 / 電気伝導度 |
Research Abstract |
第一に,単層カーボンナノホーン(SWNH)内に存在する欠陥部位の作用について着目した。これまでのナノカーボン物質中の構造欠陥及び気体吸着に関する研究を基に,電子顕微鏡を用いたSWNHのナノ構造解析や電気伝導度測定による気体吸着に伴うSWNHの電気伝導応答性から,欠陥部位が及ぼす影響の解明を試みた。既存の手法を用いて,5員環等の欠陥部位を取り除いたSWNH(ox-SWNH)を作製し,構造欠陥の存在するSWNHとの比較を行った。電子顕微鏡観察より明瞭なナノ構造の変化が見られた試料に対して,電子受容気体及び電子供与気体を用いて電気伝導度変化を測定したところ,ox-SWNHとSWNHで電気伝導応答性が明らかな変化が得られた。この変化は,欠陥構造の有無に着目すると非常に妥当であり,欠陥部位の効果を電気伝導性から明らかにしつつある。 さらに,制約されたナノ空間中における分子吸着現象及び相転移現象を解明するため,二次元細孔を有する活性炭素繊維(ACF : Activated Carbon Fiber)の細孔内へ吸着させたヨウ化カリウム(KI)の構造解析を行っている。まず初めに,ACFの細孔構造決定のために77Kにおける窒素吸着等温線の測定及び透過型電子顕微鏡による構造評価を行った。これらの結果より得られた細孔構造から,KIの吸着量を見積もり充填量が過小量〜過剰量となる試料を作製した。これらの試料を電子顕微鏡を用いて構造観察を行うと,KI過剰量の試料においてはACF表面に多数のKI結晶が確認できるが,過小量においてはKI結晶がACF表面にほとんど確認されず細孔内のみに存在している可能性が高い事が分かった。現在,これらの試料に対してLab及びSPring-8でのX線構造解析,高エネルギー加速器研究機構でのEXAFSによって得られた結果を基に,ナノカーボン及び細孔中の物質の構造解析を行っているところである
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Effects of gas adsorption on the electrical conductivity of single wall carbon nanohorn2006
Author(s)
K.Urita, S.Seki, S.Utsumi, D.Noguchi, H.Kanoh, H.Tanaka, Y.Hattori, Y.Ochiai, N.Aoki, M.Yudasaka, S.Iijima, K.Kaneko
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Journal Title
Nanolett. 6(7)
Pages: 1325-1328
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