2007 Fiscal Year Annual Research Report
結合型半導体量子ポイントコンタクトを用いたスピンFETの開発
Project/Area Number |
06J02021
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森本 崇宏 Chiba University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子細線 / 量子ポイントコンタクト / スピン偏極 / スピンFET / 近藤効果 |
Research Abstract |
本研究課題は、半導体量子ポイントコンタクトの低電子密度状態に、自発的に発現するスピン偏極状態を用いる事で、スピン注入における注入障害を回避し、高効率で注入されたスピン偏極電流により、代表的なスピン演算素子である、スピンFET素子の実現を目指すものである。本研究年度においては、スピン偏極の発現条件において依然未解明な点が多く存在するため、細線形状・電極との結合について詳細に調べ、スピン偏極電流を得る際に問題となり得る、1次元系における近藤効果の発現条件を明らかにした。この1次元系における近藤効果自体も、その発現機構については不明な点が多く、現在盛んに研究がなされている現象である。この近藤効果の発現に必須となる、自発的な局在スピンの形成は、結合型半導体量子ポイントコンタクトを用いることで確認され、共同研究者が第一著者(本研究代表者が第三著者)となり本年度中に出版されている(Y. Yoon, et. al., Physical Review Letters)。本年の研究成果により、半導体量子ポイントコンタクトを用いてスピン偏極電流を得る為には、これまであまり考慮がなされてこなかった、ポイントコンタクト自体や電極との接続部分の幾何学的構造にも、十分に注意を払って設計する必要があることが明らかとなった。本研究課題において得られた研究成果は、招待論文としてJournal of Physics :Condensed. Matter誌に掲載され、当該分野において一定の評価を受けたものと考えている。
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Research Products
(4 results)