2006 Fiscal Year Annual Research Report
すい臓がんにおけるヘッジホッグシグナル伝達系を標的とした天然物由来抗がん薬の創製
Project/Area Number |
06J02046
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
細谷 孝博 千葉大学, 大学院医学薬学府, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ソニックヘッジホッグ / GLI1 / 天然物 / スクリーニング / アッセイ法 / 転写活性 |
Research Abstract |
ソニックヘッジホッグ(Shh)シグナル伝達系は,胚での形態形成に必須であるが,近年,すい臓癌細胞を含む多種の腫瘍細胞で異常亢進が報告されている.本研究では,この異常亢進したシグナル伝達系を阻害することで,腫瘍の拡大を阻止できるものと考え,天然未利用資源より亢進したShhシグナル伝達系を阻害する化合物を探索することを目的とし,以下の実験を行った. 1.アッセイ系の構築 Shhシグナル伝達系の最下流において,転写因子GLI1がDNA結合領域に結合し,転写を活性化することが報告されている.その下流には,bcl-2,cyclin DおよびEなどが存在し,アポトーシスや細胞周期を制御している.本研究では,GLI1の転写部位に着目し,GLI1による転写活性を阻害する化合物を探索することを目的とし,12個のGLI結合領域とTKプロモーターを有し,その下流にルシフェラーゼ遺伝子がコードされたレポーターベクターを作成した.作成したベクターを,テトラサイクリン(Tc)によって転写活性化因子GLI1が発現するtetracycline-regulated HaCaT細胞にトランスフェクションし,目的のアッセイ系を樹立した. 構築したアッセイ系にて,Tcの添加時期,サンプルの処理時間,ルシフェラーゼ活性の測定時期などの検討を行い,スクリーニングに最適なプロトコールを得た. 2.本研究室所有の化合物ライブラリーの評価 1.で樹立したアッセイ系を用いて,本研究室保有の92種の天然由来化合物(フラボノイド,ビスインドール,テルペノイド等)をスクリーニングにかけた結果,ビスインドール化合物(arcyriaflavinC, staurosporinone)およびセスキテルペン化合物(zerumbone, zerumbone epoxide)がGLI1転写阻害活性をもつことを見出した.
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Research Products
(1 results)