2006 Fiscal Year Annual Research Report
ルミネッセンス法と電子スピン共鳴法を用いた年代測定による旧石器遺跡形成史の解明
Project/Area Number |
06J02078
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
下岡 順直 岡山理科大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 旧石器遺跡形成 / ルミネッセンス年代測定 / 御岳テフラ / 三瓶テフラ / 波長4分割測定装置 / 文化財科学 |
Research Abstract |
旧石器遺跡形成過程を解明するために、遺跡堆積物および鍵層テフラの年代測定を行い、その一部について、4に挙げるような研究発表を行った。 1 旧石器遺跡に関連して、試料採取を行った。 宮城県賀篭沢遺跡、中国河北省泥河湾地域の旧石器遺跡のほか、兵庫県の山崎断層、また三瓶山起源および姶良起源のテフラについて、遺跡形成を考える上で重要なテフラを採取した。 2 波長4分割測定装置を用いて石英や長石の線量依存性について検討を行い、油房遺跡のレス堆積物や、岩手県金取遺跡の遺跡形成過程を考える上で重要な北原火山灰などの蓄積線量評価を行った。 3 試料採取した試料の処理およびルミネッセンス測定を行った。 ネパールのヤリ断層に関連した堆積物、油房遺跡、後溝遺跡、島根県原田遺跡、賀篭沢遺跡などの考古遺跡堆積物などや、遺蹟形成過程復原に必要な広域火山灰として北原火山灰、鳴子柳沢火砕流、鳴子荷坂火山灰および御岳伊那テフラ、御岳三岳テフラの熱ルミネッセンス測定を行った。 4 成果の公表 (1)旧石器遺跡形成過程解明のための鍵層テフラのルミネッセンス年代測定の重要性について、岩手県金取遺跡や宮城県山田上ノ台遺跡などの適用例を基に発表した。(日本文化財科学会) (2)波長4分割測定装置で測定した石英および長石の線量依存性とテフラから抽出した石英および中国レス微粒子の蓄積線量を行った結果について発表した。 (Asia-Pacific Conference on luminescence dating、ESR応用計測研究会) (3)御嶽山の新期活動期の御岳伊那テフラ、御岳三岳テフラおよび御岳第一テフラの熱ルミネッセンス年代測定結果について発表した。(日本第四紀学会) (4)Al_2O_3:Cを用いた土壌中の微弱な放射線量評価について話題提供を行った。(ルミネッセンス年代測定学研究会) 5 新設された岡山理科大学オープンリサーチセンターにおいて、光ルミネッセンス年代測定を行っていくための実験環境を整備し、3に挙げたような試料の処理を行った。
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Research Products
(5 results)