2006 Fiscal Year Annual Research Report
アスペクト指向プログラミング言語の言語拡張に対する新たな枠組みの導入
Project/Area Number |
06J02115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
櫻井 孝平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アスペクト指向プログラミング / テストに基づいたポイントカード / AspectJ / 単体テスト |
Research Abstract |
アスペクト指向プログラミング(以降AOPと呼ぶ)のモジュール性に関する最新の研究の調査を行った結果,AOPのソフトウェア進化発展への対応という問題の解決が重要であることがわかった.具体的には,既存のソフトウェアに対して新たなモジュール単位であるアスペクトを追加的に適応するという手法をとるAOPにおいて,アスペクトの適応対象となる既存のソフトウェアのモジュール単位の変更によってアスペクトがうまく適応できなくなる問題でありFragile Pointcut Problemと呼ばれる. この問題を解決するために新しいAOP言語機構として,テストに基づいたポイントカット(Test-based Pointcuts)を提案した.テストに基づいたポイントカットは,対象ソフトウェアのテストを行うための既存の単体テストケースをアスペクトの適応のために利用するというこれまでにないアイディアに基づいている.単体テストケースは一般に対象ソフトウェアの仕様から作られ,対象ソフトウェアの変更を行う場合は常に単体テストケースはその変更を反映する必要がある.アスペクトが単体テストケースを利用することで,変更が発生してもうまく適用し続ける堅牢なアスペクトの定義が可能となる. 代表的なAOP言語AspectJの拡張機構としてテストに基づいたポイントカットのコンパイラのプロトタイプを実装した.実装にはMcGill大学とOxford大学のDe Moorらにより開発された拡張可能なAspectJコンパイラの枠組みであるAspect-Bench Compilerを利用した.実験として,実装したコンパイラを利用して実際の既存のソフトウェアにテストに基づいたポイントカットを使ったアスペクトを適用し,テストに基づいたポイントカットが実際にうまく働くことを確認した.
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Research Products
(3 results)