2007 Fiscal Year Annual Research Report
談話的概念の文法化-通言語的研究およびその経験科学的立証-
Project/Area Number |
06J02162
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原 由理枝 Kyoto University, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 理論言語学 / 形式意味論 / 語用論 / イントネーション / 発話行為 / 対照 / 国際情報交換 / アメリカ:オランダ |
Research Abstract |
理論的、および、通言語的研究としては、オランダ・University of Amsterdamに半年間滞在し、Robert van Rooij氏(University of Amsterdam)との共同研究として、日本語の助詞「は」、英語、ドイツ語のイントネーションによってしめされる、人間言語の「対照」は「真であると知られていない」という意味を示唆している、という提案をした。この研究は、カナダ、オタワ大学で開かれた国際学会、NELSで発表した。また、日本語の「だけは」構文と質問文の不和合性と英語の擬似条件文と質問文の不和合性の類似点に着目し、質問という発話行為の本質として、Isaacs and Rawlinsにより提案された「質問により提議された議題(issue)は、延期されえない」という原則をうらづける研究を行い、宮崎での国際学会・LENLSにて発表した。 一方、経験学的研究については、アメリカ・ジョージア大学の川原繁人氏とともに、アクセントの平板化と証拠性の関係を調べる録音実験を進め、また英語の偏りを持った疑問文との類似点からアクセントの平板化の形式意味論的分析を行った。この研究は来年度、ブラジル・カンピーナスでの国際学会、Speech and Prosodyで発表予定である。また上記のいずれの研究も、オランダ、ドイツ、日本の各地の招聘講演で発表した。
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Research Products
(8 results)