2006 Fiscal Year Annual Research Report
対人接触とマスメディア視聴が政治的な意識・行動におよぼす影響の解明
Project/Area Number |
06J02202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白崎 護 京都大学, 大学院法学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ソーシャル・ネットワーク / 政治参加 / 投票 / マスメディア |
Research Abstract |
実証分析に関しては、「ソーシャル・ネットワークと投票行動調査(CNEP : Cross-National Election Project)」(1993年)のデータを使用し、対人接触およびマスメディア視聴が1993年の衆議院議員選挙における投票行動へおよぼした影響を数量的に分析した。第1に接触相手とマスメディアに対する党派性の認識構造の一端を解明すること、第2にイデオロギー態度や争点態度など心理的態度の影響と比較しつつ、対人接触とマスメディアが有権者の投票行動へおよぼす影響を解明することが本研究の目的である。以上の目的に最も適合したデータがCNEPデータであり、対人接触とマスメディア接触に関する質問項目が豊富である。 得られた知見は以下の通りである。第1に、新党に関しては新聞がテレビニュースに近接した認識を抱かれやすいのに対し、自民党・社会党では両媒体の間に距離がある。第2に、いずれの政党の党派性に関しても常に2つの民放が近接して認識される。第3に、いずれの政党の党派性に関する認識も、カテゴリとしてまず「対人環境」と「マスメディア」が区分され、「マスメディア」内で「NHK・新聞」と「民放」に区分される。 理論分析に関しては、前世紀初頭から今世紀初頭までのソーシャル・ネットワーク研究史の展開につき、投票行動分析を念頭において整理し、あわせて今後の研究の展望を示した。今後の研究の発展を考えた時、有権者の態度の変容を規定する要因を特定するための時系列データの充実が不可欠である
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Research Products
(1 results)