2006 Fiscal Year Annual Research Report
不確実性下の最適意思決定に対する比較静学分析とそれの金融市場への応用
Project/Area Number |
06J02205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 祐介 大阪大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | バックグラウンド・リスク / 楽観・悲観 / リスク回避度 |
Research Abstract |
今年度の前半は,研究課題に基づいて主体が制御できないリスクであるバックグラウンド・リスクが最適意思決定に与える影響について分析を進めた.具体的な成果として,(1)最初にバックグラウンド・リスクが存在しない状況で異なるリスク回避度を持つ意思決定者を考える.バックグラウンド・リスクが存在する状況において,その順序が保存する(von Neumann-Morgenstern型)効用関数の新しい十分条件を示した.(2)消費と非消費の二変数から効用を得る意思決定者を考える.非消費のリスクが増大した時に,よりリスク回避的な消費行動を取る十分条件を示した. これらの研究成果は大阪大学のワーキングペーパーとして公表している.それらを来年度に行われる学会で報告申込している.また,それらは査読付き学術雑誌に投稿中である. 今年度の後半はオーストラリアにあるUniversity of Queenslandに滞在してQuiggin教授に指導を仰ぎながら研究を進めていった.留学中の具体的な成果として,(1)原資産の収益のリスクが増加した時に,派生資産の価格が単調に変化する条件について導出した.(2)順位依存型効用関数で表現される楽観的・悲観的な態度の新しい特徴付けを行った.また,それを比較静学分析に応用した. これらの研究成果は大阪大学,あるいはUniversity of Queenslandのワーキングペーパーとして公表する予定である.それらを来年度に行われる学会などで報告申込している.また,それらは英文校正を終えた後に査読付き学術雑誌に投稿することを予定している.
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